NFT(Non Fungible Token)アートは、PCやタブレットなど技術を使ってつくられたデジタルアートのデータをNFT化(偽造が出来ない鑑定書付きのデジタルデータ化)されたアート作品のことです。

NFT自体は2014年頃に生まれ、2017年にNFTゲームが世界的にヒットしたことにより知られるようになり、2021年の仮想通貨の盛り上がりとともに、NFTアートが数十億円で売却されるニュースが大きな話題になりました。

2023年頃にはNFTアート自体のブームが少し落ち着いてきましたが、2024年現在、NFTアートが売れるのかどうか気になっている人も多いのではないでしょうか。

そこで、過去から現在まで売れたNFTアートの作品事例を通して、 売れない原因や売れるためのコツ、売れた後の税金についてもご紹介してきます。

NFTアートの過去から現在までの売れた作品事例

NFTアートが注目され始めた2021年頃から現在までに売れた作品事例について、実際の作品を通してトレンドや特徴を見ていきましょう。

2022年以前に売れたNFTアート作品事例

2022年以前に売れたNFTアートの作品事例として、下記の有名な作品をご紹介します。

  • Beeple『Everydays-The first 5,000 Days』
  • XCOPY『Right-click and Save As guy』
  • Edward Snowden『Stay Free』
  • Mad Dog Jones『REPLICATOR』

それぞれ見ていきましょう。

①Beeple『Everydays-The first 5,000 Days』

Everydays—The First 5000 Days
引用元:OpenSea

NFT アートが注目されるきっかけを作ったと言っても過言ではない、アメリカのデジタルアーティストBeepleによる『Everydays-The first 5,000 Days』は、2021年に日本円にして約75億円で落札され、大きな注目を集めました。

この作品はBeepleが約13年半もの年月をかけ、5,000枚の作品を切り抜いて1つの作品に仕上げたものです。

NFTの中でも、存命アーティストの作品でトップクラスに高価な作品の1つになりました。

②XCOPY『Right-click and Save As guy』

XCOPY『Right-click and Save As guy』
引用元:OpenSea

先ほどご紹介したBeeple『Everydays-The first 5,000 Days』が落札された直後にニュースで取り上げられ、話題になった作品です。

右クリックで簡単にダウンロードできてしまうNFTアートへの皮肉が込められた作品名が話題を呼び、日本円で約7億5000万円で落札されました。

ハッカーのような怪しさをアートに落とし込み、皮肉の意味も込めた作品名もユニークな、まさにこれぞアートという作品です。

③Edward Snowden『Stay Free』

Edward Snowden『Stay Free』
引用元:OpenSea

作者のエドワード・スノーデン氏は、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元職員であり、NSAが大がかりな個人情報収集を行っていることを告発して一躍有名になった人物です。

そんなエドワード・スノーデン氏が出品した作品が、日本円で約5億円で落札されました。

絵の右下に電子署名が入っているこの作品は、スノーデン氏自身の肖像写真をNSAによる情報収集行為が違法であるという判決を下した判決文章を表現した作品になっており、政治色が強めのアート作品ですね。

④Mad Dog Jones『REPLICATOR』

Mad Dog Jones『REPLICATOR』
引用元:OpenSea

Mad Dog Jones氏は、色鮮やかな ネオンカラーを使う作品で有名です。

緑や青などの蛍光色が記憶に鮮明に残る『REPLICATOR』は、日本円で約3.7億円で落札されました。

⑤freeross『Ross Ulbricht Genesis Collection』

freeross『Ross Ulbricht Genesis Collection』
引用元:OpenSea

元麻薬売買人であり、偽造通貨や盗難クレジットカード情報、無許可の医薬品、ドラッグなどの違法商品が販売されているダークネットマーケットの運営者であったUlbricht氏の作品です。

Ulbricht氏は麻薬取引やマネーロンダリングなどの罪で終身刑を受けましたが、彼は出所資金を集めるために、自分の作品をNFTアートにし、日本円で約14億円で落札されました。

資金の一部は刑務所に収監された人々とその家族を支援するための慈善基金の立ち上げにも使われるという、色々なストーリーが混ざった作品ですね。

2023年に売れたNFTアート作品事例

2023年は、2022年以前に比べてNFT市場が大きく伸びたわけではありませんでしたが、世界の売上のほとんどをCryptoPunksとBored Ape Yacht Club関連が占める結果となっています。

①CryptoPunks『CryptoPunk #5066』

CryptoPunks『CryptoPunk #5066』
引用元:OpenSea

CryptoPunks氏の『CryptoPunk #5066』は、2023年に最も高額で売却されたNFTアート作品で、約2億8千万円で落札されました。

金額は2022年以前に比べると小さいですが、それでも高額な落札額ですね。

②Bored Ape Yacht Club『#7090』

Bored Ape Yacht Club『#7090』
引用元:OpenSea

Bored Ape Yacht Club(BAYC)の作品は、猿人類を用いていることが特徴的です。

中でもこの作品は、金色の毛皮とハート型のサングラスがとても可愛く、2023年の中ではトップクラスに人気が高い作品で、約2億6千万円で落札されました。

③Fidenza by Tyler Hobbs『Fidenza #545』

Fidenza by Tyler Hobbs『Fidenza #545』
引用元:OpenSea

2023年はBAYCとCryptoPunksの作品が売上のほとんどを占める中、Fidenza by Tyler HobbsのFidenza#545も人気の作品で、日本円で約1千万円で落札されました。

NFTアートが売れない原因と売るためのコツ

先ほどご紹介した NFTアート作品は超有名アーティストの作品なので、売上規模も億でしたが、イラスト初心者でもアルバイト感覚で数十万円の利益を得ることは可能です。

しかし、日本国内ではNFT自体が浸透していないこともあり、NFTアートは売れないイメージがまだまだあります。

下記の売れない原因について、売るためのコツもあわせてご紹介していきます。

  • 初めて間もない
  • 作品と作者の認知度が低い
  • 利用者が少ない販売サイトやブロックチェーンを使っている
  • 販売価格が相場以上
  • 流行おくれの作品を販売している
  • コンセプトやターゲットが定まっていない
  • 転売が期待しにくい

①初めて間もない

NFTを始めて数週間~数ヶ月で売りたい気持ちは分かりますが、コツコツ売買を進めて半年~1年程度のスパンで粘り強く販売活動を続けていくことが大切です。

たとえ今売れなくても、数週間~数ヶ月後に数十万円と売れる可能性もあるのがNFTアートなのです。

②作品と作者の認知度が低い

当然のことですが、作品や作者の認知度が低ければ、作品は知られていないわけですから 売れません。

そんな時は、X(旧Twitter)やTikTokなどのSNSアカウントを作成して、NFTを購入してくれる可能性のある人たちに向けて自分の作品や自分の作品への思いをコツコツ発信していくことが大切です。

これも数日や数週間単位ではなく、数ヶ月~半年ないし1年ほどのスパンをみて、発信活動を続けていくことが売れるためのコツです。

③利用者が少ない販売サイトやブロックチェーンを使っている

NFTを出品したり売買をする時には、NFTの販売サイト(マーケットプレイス)を利用する必要があります。

国内外に様々あるNFTマーケットプレイスでは、利用者は自由にNFTアートを作ったりNFTを売買することができます。

しかし、利用者が少ないNFTマーケットプレイスでは売買成立は難しくなるので、利用者の多いNFT マーケットプレイスを選ぶことが大切です。

NFTマーケットプレイスの中でも特に有名なのがOpenSeaで、世界 シェアは90%以上と言われており、日本人アーティストも多く出品しています。

また、NFTマーケットプレイスでNFTを売買する際は決済手段として仮想通貨を使うことが一般的ですが、使える仮想通貨が異なります。

自分の好みで仮想通貨を選ぶのではなく、多くのNFT マーケットプレイスで使える仮想通貨を選ぶことでNFT アートが売れる可能性が高まるのです。

ほとんどのNFT マーケットプレイスでイーサリアムが利用可能なので、他の仮想通貨よりもイーサリアムを利用するようにしましょう。

ちなみに、クレジットカードでの決済も可能なマーケットプレイスはあるのですが、仮想通貨での決済の方が手数料も安く、迅速に決済できる傾向があります。

④販売価格が相場以上

NFTアートの相場は、仮想通貨自体の価格や作品の認知度、流行りなど様々な要因で常に変動するため断定が難しいのですが、利用したいNFTのマーケットプレイスにアクセスしてランキングページを見ると推測できます。

例えば、国内のNFTコレクションランキングを調べると、その値段は0ETH~80ETHを超えるものまであります。

国内NFTコレクションランキング
引用元:国内NFTコレクションランキング

2024年1月時点で、1ETHあたり約32万円なので、約3千円~2千5百万もの価格差があるのです。

これだけ価格差があると相場の判定は難しいですが、ランキングの最低額ラインであればNFTアートが売れやすい価格帯と推測することができます。

2024年1月時点では、0.01イーサリアム、日本円で約3千円以下であれば売れやすいということができるでしょう。

また、もう一つの相場判定をする目安として、仮想通貨の取引ができるアプリやキャンペーンで各社が出している金額を目安にすると良いです。

例えば、コインチェックやDMMなどの知名度の高い会社のキャンペーンでは、1000円~1500円分のビットコインがもらえたり、 日本円がもらえたりします。

無料でもらえる金額分を「試しに何か買ってみるか」と買ってくれる可能性があるので、1000円~2000円くらいであれば売れやすいと推測することができますね。

⑤流行遅れの作品を販売している

NFTが出てきた当初はドット絵が流行でしたが、その後は猿の絵や可愛い女の子の絵のようにトレンドが変化し続けています。

今あえてドット絵を書くのであれば、そこに何かしらの付加価値がないと売るのが難しいので、色々なNFTアートを実際に見てみて、どんなトレンドがあるのかを分析する必要がありますね。

⑥コンセプトやターゲットが定まっていない

販売を前提にするのであれば、トレンドを分析することが大事ですが、自分で作っていて楽しくないと継続も難しくなります。

そのため、売れやすいトレンドのNFTを作るのか、作っていて自分が楽しいNFTを作るのかを決めることが大切です。

コンセプト決めが難しい場合は、まずはカテゴリーや雰囲気を決めることをオススメします。

例えば、風景や人物、動物などのカテゴリーや、レトロ、クール、ポップなどの雰囲気を決めていきましょう。

⑦転売が期待しにくい

NFTは自分で作品を作って売るだけではなく、転売目的で購入する人もいます。

転売目的で買う人の立場に立つと、今後価値が上がりそうかどうかを基準に購入する傾向があります。

そのため、作品の売れ残りが多かったり、作者の SNS 投稿が少なすぎたりすると希少価値が出にくく、購入する方も買う意欲が失せてしまいます。

そのため、供給数をあえて絞ったり、奇抜な作品を出してSNSで発信し続けることで、今後の価値が上がりそうな雰囲気を伝えることも、売るためのコツといえるでしょう。

NFTアートで売れる絵・イラストの特徴と作り方

NFTアートで売れない原因を見ていきましたが、NFTアートで稼ぐために、NFTアートで売れる絵やイラストの特徴、NFTアートの作り方を見ていきましょう。

NFTアートで売れる絵・イラストの特徴

NFTアートで売れる絵やイラストの特徴としては、下記のことが挙げられます。

  • アイコンにしやすい絵
  • トレンドを抑えた絵
  • 認知度が高く人気のある絵
  • コンセプトが工夫されている絵
  • 購入特典のある絵
  • 付加価値がついている絵
  • 希少価値のある絵
  • 統一感のある絵
  • NFTアートの作り方

これらについて、それぞれ見ていきましょう。

アイコンにしやすい絵

NFTアートのようにデジタルアートの場合は家に飾ったところで転売して稼ぐことができないので、アイコンにすることで稼ぐきっかけになります。

また、SNSのフォロワーが増えるきっかけにもなりますし、NFTを持っていることで個性を表現することができます。

ただ、以前はX(旧Twitter)でNFT画像をプロフィールアイコンに設定できる機能がありましたが、2024年の1月に月額有料制のサブスクリプションサービスの「X プレミアム」でのサービスが停止されました。

これまでプロフィールアイコンをNFT画像に設定すると、通常の丸型のプロフィールが六角形に変更できましたが、その機能が削除されて今では丸型に戻ってしまいました。

そのため、NFTアートを使ったSNSアイコンでの差別化は難しくなっているのが現状です。

トレンドを抑えた絵

NFTアートのこれまでのトレンドは、以下のような特徴があります

  • ドット絵
  • 可愛い女の子の絵
  • pfp
  • コレクティブ
  • フリーミント
ドット絵

ドット絵とはピクセルアートとも呼ばれ、昔のゲーム機やパソコンで採用されていた表現方法であり、懐かしさを感じる人も多いでしょう。

NFTアートにドット絵が多い理由は、先ほどもご紹介したCryptoPunksの影響が大きいですね。

CryptoPunks『CryptoPunk #5066』
引用元:OpenSea
可愛い女の子

可愛い女の子は、アニメ調のポップな感じや透明感のある感じなど、日本の「kawaii」を象徴するようなイラストがたくさんあって、見てるだけで楽しくなりますね。

趣味の延長でイラストを描くようになったというこの方の作品は、趣味とは思えないほどクオリティが高いですね。

イラストレーターで生計を立てるのは楽ではないので、NFTアートが一つの収入源になるアーティストも増えてくることを期待しましょう。

pfp

pfpはProfile Pictureの略で、SNSなどのプロフィール画像として使うNFTを指します。

これによって趣味や所属しているコミュニティを表現できて、自分の作品や自分の活動、諸族コミュニティなどを知らせる効果がありますね。

コレクティブ

コレクティブNFTとは、自分の個性を表現するアイコンや、自分が好みのコレクションや美術品として購入されるNFTのことです。

珍しいものをコレクションして、価値が上がってから売るような投機的な目的で買うことが多いです。

コレクティブNFTの例として分かりやすいのは、Bored Ape Yacht Clubの猿をモチーフにしたNFTコレクションです。

Bored Ape Yacht Club-series
引用元:OpenSea

アルゴリズムによって色々なパーツを組み合わせて自動的に組み合わせて生み出される点は、NFTアートの面白さでもありますね。

フリーミント

NFTのフリーミントというのはガス代(手数料)を払ってNFTを発行することを意味します。

フリーミントということは、NFT自体の値段は無料というわけですね。

NFTのフリーミントをすることで知名度が上がってブランド化されたり、それによって取引 ボリュームが増加して価格が上昇するきっかけにもなるのです。

このようにトレンドは変化していくため、今のトレンドは何なのかをつかみ、そこに寄せていくことで注目してもらう可能性が広がるでしょう。

認知度が高く人気のある絵

認知度が高く、人気のある絵はNFTアートとして売れやすいです。

もちろん認知度だけではないですが、認知度があれば作品を知ってもらえる可能性が高まって、作品を知ってもらえれば売れる可能性も高まります。

そのため、自分自身をSNSで宣伝して興味を持つ人を増やす人が多いですね。

コンセプトが工夫されている絵

NFTアートは、イラストの上手さよりもコンセプトの独自性や面白さが購入につながります。

実際のアート作品と違って、NFTアートは部屋に飾って干渉することはできないため、単純な絵のうまさよりも作品を見た時の面白さが購入につながるわけですね。

ちょっとした発想力や遊び心があれば、イラストを描いた経験がなくても売れる作品を作ることが十分に可能なのです。

購入特典など付加価値のある絵

購入した時に特典のある NFT アートであれば、購入のきっかけになります。

例えば、2021年にミュージシャンの小室哲也さんが手がけた楽曲『Internet for Everyone』がNFTマーケットプレイスで販売されました。

オリジナルデータを6つに分けて、1トラック3万円から販売されたのですが、先着10名に小室哲哉さんが新しく弾いたシンセサイザー音源を提供するなどの購入者特典が与えられました。

二次販売では70万円以上で取引されるなど、小室哲哉ファンにとっては70万を払ってでも買いたい、そんな付加価値がつく特典と言えるでしょう。

希少価値のある絵

NFTアートの希少性は、有名なアーティストの初期の作品のようなものです。

例えば、NFTアートの有名アーティストであるCryptopunksの初期のNFTアート作品は当初は無料で配布していましたが、 知名度が上がると 希少性が増していきました。

初期の作品に値打ちが上がるのは、ミュージシャンや漫画家でも同じことが言えますね。

統一感のある絵

さきほどもご紹介したBAYCの有名NFTコレクションは、統一感のある絵の代表的な作品です。

Bored Ape Yacht Club-series
引用元:OpenSea

見てわかる通り、猿をモチーフにしたアートで統一されていますよね。

このようにコンセプトをまず決めてからNFTアートを作ることで、自然と統一感が出てきます。

NFTアートの作り方

NFTアートはスマホのアプリで無料で作ることができますが、まずはジャンルを決めることが大切です。

ジャンル例としては、次のものが挙げられます。

  • ドット絵
  • イラスト系
  • 写真系
  • ジェネラティブNFT

それぞれ見ていきましょう。

ドット絵

CryptoPunksのイラストで有名なドット絵は、初心者でも簡単に作れることができます。

そのため、初めてNFTアートを作成する人に向いており、代表的なアプリとしては『8bit Painter』が挙げられます。

もちろん無料で使うことができ、ドット絵を簡単に書くことができます 。

イラスト系

キャラクター系のNFTを書きたい人は、イラスト作成アプリ『アイビスペイントX』がおすすめです。

素材や機能が豊富なので、初めてイラストに挑戦する人でも複雑なイラストを描くことができます。

写真系

写真を使ってNFTに挑戦したい人は、写真編集ができる『Canva』がおすすめです。

テンプレートが豊富で簡単に写真アートを作ることができ、無料でも充分楽しむことができます。

有料のCanva Proを使うと、素材数が無料の100倍も用意されてるので、クオリティの高さを求める人は使ってみるといいですね。

ジェネラティブNFT

ジェネラティブNFTは、顔や服装など色々なパターンを用意してプログラムで自動的に組み合わせて絵を完成させるNFTのことです。

プログラムで自動で作られるため、大量に作ることができますね。

ジェネラティブNFTに挑戦したい人は、無料で使える『ジェネラティブ NFTジェネレーター』がおすすめです

売買するためのNFTアートの始め方

NFTの取引は専用の口座を開設し専用の通貨を購入すれば、銀行口座のように誰でも簡単に始められます。

NFTの売買をする際は、次の流れで行います。

  • 利用したいNFTマーケットプレイスを決める
  • 仮想通貨取引所で仮想通貨を購入
  • 仮想通貨ウォレットを用意してNFTマーケットプレイスと接続
  • NFTを購入
  • NFTを売却

①利用したいNFTマーケットプレイスを決める

NFTアートの売買を行えるプラットフォームであるNFTマーケットプレイスを決める基準としては、仮想通貨の種類の多さや認知度、自分が使いやすいかどうか等です。

有名なNFTマーケットプレイスであるOpenSeaであれば、スムーズに売買を進めることができるため、ここではOpenSeaを例に説明していきます。

②仮想通貨取引所で仮想通貨を購入

仮想通貨の購入

NFTマーケットプレスによって使える仮想通貨は違いますが、ほとんどのNFTマーケットプレイスでイーサリアムを使うことができるため、イーサリアムを購入しておけば問題ありません。

最近の決済手段では、日本円などの法定通貨やクレジットカード決済も可能ですが、決済手数料を比較すると仮想通貨の方が安いため、仮想通貨を選ぶことをオススメします。

③仮想通貨ウォレットを用意してNFTマーケットプレイスと接続

ウォレットと連携

仮想通貨ウォレットというのは、購入した暗号資産を管理するためのウォレット(財布)のようなものです。

ウォレットの種類はたくさんあるのですが、NFT初心者はOpenSeaでも使うことができるMetamaskを使っておけば間違いありません。

ウォレットが準備できたら、NFTマーケットプレイスと接続します。

接続と言うと難しく聞こえますが、要するにログインをする意味になります。

楽天やAmazonのようなECサイトにログインする際には、メールアドレスとパスワードが必要になりますが、NFTマーケットプレイスの場合はウォレットを選択することでログインができるイメージです。

④NFTを購入

NFTマーケットプレイスとウォレットの接続完了後、NFTを購入することができます。

購入方法については各NFTマーケットプレイスで異なりますが、OpenSeaの場合は、 「定額で購入(アイテムページで価格を見て購入)」「オファーで購入(購入希望額をオファーし、NFT所有者が応じれば購入可能)」「オークション入札で購入(販売終了時間までに最も高額なオファーを出せば購入可能)」の3つの購入方法があります。

どの方法であっても、できるだけ安く買い付けられることがポイントですね。

例えば、OpenSeaで定額NFTをモバイルで購入するのであれば、次のような流れで購入することができます。

  1. 購入するNFTのアイテムページに移動
  2. 【Buy now】(今すぐ購入)をクリック
  3. 【Connect wallet】で接続ウォレットを選択
  4. 購入内容を確認後に購入

購入すると、次のような画像が出れば購入完了です。

Openseaの購入完了画面
引用元:OpenSea

⑤NFT を売却

NFTを転売するならば、購入時よりも高い金額で売る必要があります。

NFTアート作品自体の価格に加えて、手数料もかかってくるため、売却前に必ず総額を確認するようにしましょう。

例えばOpenSeaの場合は、クリエイターの手数料やNFT購入時の手数料、オファー受け入れ時の手数料などが主にかかってきます。

価格設定を確認して、NFTを出品するようにしましょう。

NFTアートが売れた後の換金や税金について

NFTが売れた後、仮想通貨を日本円に換金する必要があるため、売れた後の換金の流れや利益に対する税金の目安などについてご紹介します。

NFTアートが売れた後の換金の流れ

NFTを現金化する手順としては、仮想通貨を取引所に送金して、仮想通貨を日本円に換金した後に日本円を出金する流れになります。

NFTが売却されると、売却代金は自動的にウォレットに入金されます。

ウォレットに入金されたお金は仮想通貨の状態なので、その仮想通貨を日本円に換金するために、取引所に送金をします。

換金方法はウォレットによって若干の違いはありますが、一般的には、送金ボタンをクリックして、ウォレットアドレス(外部からの送金を受け取るための宛先で、銀行でいう口座番号のようなもの)を入力することで換金することができます。

NFTアートが売れた後の税金について

NFTに関する税法上のルールについては完全に整備されているわけではありませんが、原則的に1月1日〜12月31日までに得た所得については申告が必要になります。

NFTを取得するとどういった種類の税金がかかるのか、そして課税されるタイミングはどこなのかについて説明していきます。

NFTを取得した時の税金について

国税庁によると、NFTを売却して利益を受け取った場合は所得税の課税対象となり、次のように項目が分類されます。

役務提供などでNFTを取得した場合 ①役務提供の対価でNFTを取得 事業所得or給与所得or雑所得
②臨時・偶発的にNFTを取得 一時所得
①②以外の場合 雑所得
NFTを譲渡した場合 ①譲渡したNFTが資産に該当(値上がり益と認められる)する場合 譲渡所得
②譲渡が営利目的として継続的に行われている場合 雑所得or事業所得
③譲渡したNFTが資産に該当しない場合 雑所得or事業所得

引用元:国税庁

このように、クリエイターとしてNFTアートを作成しても、転売目的でNFTアートを取得しても課税対象になる可能性があることが分かります。

また、令和5年1月13日に国税庁から発表された情報をまとめると、次のようになります。

  • 個人がNFTをつくって知人に無料で贈与→所得税の課税無し
  • 海外在住者がNFTをつくって日本のマーケットプレイスで売却→所得税の課税無し
  • NFTを購入したが不正アクセスで消失→所得税の控除の対象
  • 給与を仮想通貨でもらった→所得税の課税対象
  • 商品購入の際に購入先の会社発行の仮想通貨を無償で取得→所得税の課税対象
  • ゲームの報酬としてゲーム内通貨(ゲーム内でしか使えない)を取得→所得税の課税無し
  • ゲームの報酬としてゲーム内通貨(ゲーム以外でも使える)を取得→所得税の課税対象
  • お金に換えられるNFTを贈与又は相続→贈与税又は相続税の課税対象
  • NFTをつくって販売した→消費税の課税対象(クリエイター側)

このように、所得税以外にも消費税や贈与税、相続税などの課税対象になる可能性があるため、自己判断はせずに税理士に相談して対応したほうが確実と言えるでしょう。

NFTの課税タイミング

NFTの取引をして課税されるタイミングとしては、先ほどの国税庁から発表された情報も参考にすると、次のようになります。

  • NFTをつくって有料で譲渡した時
  • 買ったNFTを転売した時
  • 給料を仮想通貨で受け取った時
  • ゲームの報酬でゲーム内通貨(ゲーム以外でも使える)を受け取った時
  • お金に換えられるNFTを贈与や相続した時

このように、価値のあるNFTを受け取ったり渡したりした時であることが分かります。

ただ、NFTに関する税法上のルールについては曖昧な部分もあるため、専門家に相談して、しっかり申告をするようにしましょう。

よくある質問

NFTアートについて、作品事例や売れない原因や売れるためのコツなどをご紹介してきましたが、よりNFTアートについて知識を深めるために、下記のよくある質問についてご紹介します

  • NFTは儲からない?
  • NFTの欠点は?
  • NFTは誰でもつくれる?
  • NFTアートとデジタルアートの違いは?

NFTは儲からない?

NFT自体の世界的な勢いは落ち着き始めましたが、日本だけを見れば、これから儲かる可能性は十分にあると言えます。

なぜなら、少しずつNFTアートが普及してきた2021年や2022年あたりよりも法整備が進み、次のように名だたる企業がNFTに参入しているからです。

  • GMOインターネットグループ(NFTマーケットプレイス『Adam』を運営)
  • 楽天(NFTマーケットプレイス『Rakuten NFT』を運営)
  • KONAMI(『悪魔城ドラキュラ』のNFTを販売)
  • 吉本興業(人気芸人のコントなどの限定NFT動画を販売)
  • アサヒビール(スーパードライ関連のNFTコレクションを販売)

他にも、最近は新潟県をはじめとする行政も参入しており、それだけ将来性があるということが分かります。

NFTの欠点は?

NFTの欠点としては、NFT自体の価値が暴落する可能性や、物理的に所有ができないことを利用した著作権侵害、詐欺や盗難などの被害に遭う可能性があります。

法整備が完璧とは言えないのと、まだNFTに詳しい弁護士もそこまで多くないため、対応が難しい現状があります。

NFTは誰でもつくれる?

NFTは誰でも出品できて収益を得られる可能性があります。

NFTの取引をするためには、仮想通貨取引所に口座を開設する必要があるので、仮想通貨取引所に口座を開設できれば、誰でもどこからでも取引をすることが可能です。

NFTアートとデジタルアートの違いは?

デジタルアートは、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスを使った作品のことです。

伝統的な絵画や彫刻などとは違った新しいアートですが、これまでのアナログな芸術作品と比べて簡単に複製されてしまう点で、価値が上がりにくい欠点がありました。

しかし、NFTの登場によって、誰でも簡単にコピーできるものが唯一無二の希少性を持つ作品に生まれ変わる可能性が広がったのです。

このように、デジタルアートに希少性を持たせたものがNFTアートであり、アナログ作品と同様に本物を持つことができるようになった点で画期的だと言われています。

まとめ

NFTアート売る

NFTアート自体は世界的ブームは落ち着いてきましたが、国内では徐々に認知され始めている段階であり、参入するなら早いにこしたことはありません。

誰でも参入ができて、イラストが上手でなくてもコンセプトを工夫したりSNSを使いこなして認知度を上げれば稼げる可能性がある点では非常に魅力的と言えますね。

有名な企業もこれからどんどん参入してくることが予測され、法整備も整ってくるため、個人で新規参入しても稼げなくなってくることも考えられます。

仮想通貨もそうでしたが、登場したての頃は「怪しい」「騙されるんじゃないか」と言われるものなので、少額からでも試してみることをオススメします。